明るい生活の暗い日記

スピードが足りない

221227

BLEACH2期第1クールが終わった。『Everything But the Rain Op.9 "June Truth"』で一心が真咲を太陽に擬える際の演出が出色の出来で、思わず涙が出る。

f:id:Halprogram:20221227232104j:image(久保帯人BLEACH』60巻111項)

原作では一心視点のPOVとイメージ図にモノローグが重ねられたシンプルながらも印象的なシーンなのだが、これに一心と真咲が互いを慕うようになっていく過程の映像と真咲を逆光で捉えたショットがインサートされたことによって、それこそ太陽のような眩しさが加わったように思う。いいものを見た。

特に期待していた『THE BLADE IS ME』は劇伴の『Number One』がうるさかった。原作を読んだ際に厳かな静寂をイメージさせられていたので、最後の最後でズコーッとこかされたような、そんな感じ。王悦の追加台詞も良かったんだがな。出演作の劇伴をナカコー氏につけてもらう際に、「歌唱のある曲は作品の邪魔をする、歌唱のある曲を使うのであれば作品の邪魔をしないものを作らなければならない」という旨のことを言われたと監督から聞いたのを思い出す。尤も今回の引っ掛かりは歌唱どうこうというよりも曲調に由来するところが大きいのだけれど。

しかしBLEACH2期は面白かった。まだ第1クールが終わっただけではあるものの、当初の期待を大幅に上回る出来で、向こう半年は週に一度のこの楽しみが無くなるのだと思うと残念で仕方がない。00年代漫画原作ゴールデンタイムTVアニメにありがちな、原作人気に頼った殿様商売でなく、より良い映像作品として再構築しようという気概が感じられて本当によかった。夏が楽しみ。

「似非心理カウンセラー滅びろ!」みたいな昔のツイートがふぁぼられていた。何があったんやろかと思ったら、似非心理カウンセラーがセッション中にクライエントから受けた言葉をTwitterで公開していて、それをまともな心理士が引用して問題提起していたらしく、流れでそういうパブサをかけた人に引っかかったらしい。

似非心理カウンセラーを取り巻く構造は簡単に言えばマルチ商法で、似非心理カウンセラーの権威が高い授業料を取る講座を開設し、受講者に謎のカウンセラー資格を与え、そいつが更に弟子を取り……というサイクルになっている。当然ながら公認心理師臨床心理士のようにまともな実習やバイズを受けられるはずも無く、その質は推して知るべしだ。まともな機関で雇われることも当然無く、多くは私設のオンライン面接室や謎資格を認定するスクールの講師として働いているらしい。大元を除けば彼らもまた被害者であると言えるのだが、粗悪な似非カウンセラーとまともな心理士の見分けをつけることが難しい人を食い物にしている時点で許されざる存在であり、ホメオパシーのような代替医療のお仲間なのである。

似非心理カウンセラーに見習うべき点があるとするのであれば、彼らの活動は表面的には非常にキャッチーでアクセスが容易であるという部分だろう。YouTubeで人間の心理について断定的に語ることでまやかしの安心感を与えたり、SNSのDMで予約を受け付け治療の枠組を曖昧にするような距離感を演出したり、とにかく表面的な部分で上滑った親近感を醸し出している。これらは心理療法を行う上ではまずあり得ない活動なのだけれど、そんなことを知らない困りきった人達は明快で親しみを覚える似非心理カウンセラーへとアクセスしていくのだろう。対する臨床心理士は、『臨床心理士に出会うには』というよくできた検索サイトがある一方で、それ自体の知名度もさることながら、差し迫った状況で冷静に自身の症状に対応できる心理士を探し出すようなことができるだろうか?という点がパッと思い浮かぶところとして気がかりだ。恐らく、似非カウンセラーは重すぎない"いのちの電話"のような頼られ方をしているのだろうと推察する。

いいサイトだから困ったら使ってね

心理療法を必要としている人にそれを届けることは難しい。まともな機関であれば、申し込みの電話を入れてから初回面接までに少なく見積もっても1週間は時間を開けるだろう。それは適任の選出であったり、時間的枠組の調整であったり、留意事項の検討であったり、そういったものに充てられる時間であって、それは即ち心理療法の質に直結するものであると言える。しかしそれは舞台袖の話であって、今すぐに助けて欲しいというクライエントの希望とは沿わないものであることには相違無い。

心理士は心理療法を必要としている人に心理療法を届ける為の活動を行う必要があるように思う。まともな心屋仁之助のようなタレント性のある人間によって大きな流れを作ってもらいたい。中元日芽香には期待したが、あの人も結局は元アイドルであることを売りにした似非カウンセラーに成り下がった。

中元日芽香及び無資格似非心理カウンセラー批判はここに明るい

心理職は自分の業界のルールの内に閉じこもりがちで、他職種連携をちゃんとやらなあかんというのは院生の頃からよう言われたが、こう、世の中にもっと開いていかなあかんのやないうようなことを強く感じている。職業倫理との兼ね合いが難しいよな。どないかならんかな。うちが爆オモロ人間やったらタレントなってそういう活動したかったもんやで。

今日の仕事が昨日の時点でキャンセルになって、だからこそ夜中までBLEACH2期の録画を繰り返し観ていたのだけれど、今日になってやっぱ来て!と言われたので奈良の職場に行く。ここも来年で5年目になる。こんなに長居することになるとは思わなかった。勤務日の都合でしばらく顔を合わせていなかった今年40になるらしい金髪がイケてるねーちゃんと久しぶりに会えたのが嬉しかった。上司に「来年もいてくれる?」と言われたので、「楽しいので居たいですけど、年々収入面でここにいていいのかという思いは強くなってきました」と伝えた。来年度はそういう年にしたい。巡り合わせがあれば東下りしたっていいかもしれない。全てはわからんが。健康になりたい。

あまり考えがまとまらない。なんや今日はあかんかったな。あかんかったないうような日でしたわ。

おわり