明るい生活の暗い日記

スピードが足りない

240410

男性よりも女性の方が話しやすいと思うことが多い。それが好ましいことでないことと別で、社会が女性に抑圧を強いていることによって、加害の構造に対する機微に聡くならざるを得ず、無神経にも他者を踏み躙るといったことがあまり多くないように思えるからだ。

男女の間には壁か溝か、とにかく大きな分断がある。それを無視して異性と関わりを持つことはできないが、そういったマクロな構造を一時でも忘れてしまうような、ミクロで愛おしい関係を持てることがしばしばあり、その喜びは他に変え難い。

しかし、この壁や溝のようなものは、本当はあらゆる他者と自身の間に横たわっている。隣席の彼が鞄につけているストラップが自身の好きなバンドのそれであると知り、それだけのことで厚かましくも親しげに話しかける人がいる。このようにして分断を無視することで、快適に過ごすことができている面もある。無視されることが心地よいとさえ思うこともある。それは壁や溝が存在しないことを意味するのか。そうではないと思う。

恋人が実家に帰った3日間は、常にPCから金属バットのラジオバンダリーを流しながら過ごしていた。同棲開始前からの予定通りではあるものの、うまく行っているとは言い難い現状での離別は心細かった。不思議なものだ、噛み合っていないのに側にいたいというのは。今度はうまくやっていけるだろうか。やっていきたい。

おわり