明るい生活の暗い日記

スピードが足りない

220525

料理の味は親子で似るらしい。それはそうだ、親が子に料理を教えるのだから。その上で、各々の好みの違いが味に出るのが面白い。昼食に叔母が作ってくれた卵焼きが美味しく、おばあちゃんの味と似ているようで少し違うという話になり、流れで作り方を教わった。

◯トモコバチャン(トモコオバチャン縮めてトモコバ、オしか略せてへんやんけ)の卵焼きレシピ

卵1個に対して半分くらいの量のお湯を沸かし、お好みの量の鰹節を入れお出汁を取る。適当なタイミング(適当なタイミングって、いつ?)で鰹節を取り除き、お出汁が半透明になるまで片栗粉を加える。次に、卵1個に対して小さじ1〜大さじ1杯の砂糖とひとつまみの塩を用意。溶き卵に加える。油をひいたフライパンにお出汁と溶き卵をいい感じ(どんな感じ?)に投入、いい感じに巻いて完成!

らしい。叔母の発言を思い出しながら書いているので正確には違う部分もあるかもしれないが、大体こんな感じだったように思う。おばあちゃんも概ね同意していたが、砂糖は小さじ1でいいだろうと提言しており、叔母とおばあちゃんの卵焼きの味の違いが甘さにあることに気づく。叔母のものが最も甘く、次いでおばあちゃんのものが程々に甘く、母のものはあまり甘くない、と感想を伝えたところ、「あんたのとこのお母ちゃんは塩味好きやからな」とおばあちゃんは言っていた。母の卵焼きが食べたいような気がしてくる。

叔母が畑から採ってきた山椒を仕分ける。アクが爪の間に挟まり、泥遊びをした子供のように黒くなる。一度作業を始めると、黙々と集中してしまうところまで泥遊びと似ていた。穀潰ししてるねんからこれくらいするで、と言うと「従兄もよお穀潰し言うてたなあ」と返され、あいつと一緒か…と喉元まで出かかったのを飲み込む。それくらいの社会性はあるので。

従妹が近くの川で蛍を見たと言っていたので、夕食の後におばあちゃんと散歩に出た。歳思ったらよう歩けてる方やんか、いやいやもう大概歩かれへんようになってるんや、そやかて立派なもんよ、まあでもこれが歳取るいうことやわ、等と言いながら夜の滋賀を歩く。川まで出ると、蛍は案外すぐに見つかった。10匹くらいいただろうか。iPhoneの豆粒センサーでは綺麗に収めることが難しそうだったので、撮影も程々に目に焼き付けた。そういえば昔じいちゃんと一緒に蛍見に行ったことあったな、あれ入場料取ったくせに2匹くらいしかおらへんかったな、せやったっけ、そうや、ぎょーさんおったような覚えはあらへんかったけど、せやかてあんたとこのお父ちゃんが連れてってくれたからよう言わんかって、そんな話をした。

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f:id:Halprogram:20220525235056j:image真ん中に見える小さな光が蛍 殆どわかんないね

おばあちゃんと散歩できてよかったけど、こんな家出みたいな婆不孝なことしたお陰で散歩できた言うんも皮肉やね、堪忍ね、みたいなことをおばあちゃんに話した。「じきに良くなる」と言ってくれた。良くなるといいな。

寝る前にスペースでお喋りをしたのも楽しかったな。人を殴るときは合意を得てからにしましょう。

おわり