明るい生活の暗い日記

スピードが足りない

220612

東山を歩く。生前の祖父と一緒に歩いた道がどこであったか、探していたが見つけることができなかった。

このあたりについては、生活の上で必ず訪れるようなお店へ向かう道以外、全くと言っていいほど知らないので、少し奥まった道を行くだけで迷子になってしまったような、とても不安な気分になる。この街で過ごした小さい頃の自分が呼び起こされるような、そんな感覚に陥る。未だにおばあちゃんに父親から守ってもらってるしな。

今日も何度か道に迷ったが、京都タワーが見える方向に向かって歩くことで事なきを得た。この一帯は碁盤の目のように道が交差していないエリアなので、遠くの大きなシンボルを目がけて歩く古典的な手法が、迷子になった際にそれなりに有効だった。見知った街から少し外れた場所を地図を見ずに歩くのは、子供の頃に感じた世界が拡張されていくような感覚に近いものがあり、趣深い。

カメラを家から持ってくれば良かったと何度も後悔するような、印象的な景色がいくつもあった。ポートレートにお誂え向きのような場所があったので、近所の友達に声をかけようと思う。

おばあちゃんとポツンと一軒家を観る。おばあちゃんはこの番組が結構好きで、聞いてもいないのに番組の好きなところを急にべらべらと話しだしたことがあり、えらく驚いたのを覚えている。流行病に伴う諸々が起こる前は、よく一緒に観ていたので、なんだか昔に戻ったようで懐かしい気分になった。この家で過ごしていること自体が、そういう感情を賦活しやすくしているように思う。

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おわり