明るい生活の暗い日記

スピードが足りない

220727

関東から地元に帰る大学の同級生と遊んだ。

大学近くの定食屋に行きたいとのことだったので、烏丸今出川で集合する。この辺りの景観もそれなりに変わった。卒業したのはほんの数年前なのに、足繁く通った店の多くは潰れ、新しい店が入るかテナント募集にかかるか、更地になっているところまであった。愛おしい気分になると同時に、帰りたくても最早帰っていい場所ではないのだと思い知らされる。室生犀星もこんな風にメソメソしたのだろうか。定食屋で梅おろしうどんを頼み、彼の唐揚げ定食から唐揚げを一個貰った。初めてこの店に来た時に先輩に奢ってもらったのが梅おろしうどんで、この店でいつも食べていたのが唐揚げ定食だった。嘘、チキ唐定食だったかもしれない。何にしても、味覚に留まらず情緒的にも訴えかける味わいのある食事体験だった。f:id:Halprogram:20220727233935j:image

西京極のサウナ付き温泉へ向かう。とにかく歩いた。当初は京都駅からバスに乗って楽をしようとしたものの、反対回りのものに乗ってしまった為、東本願寺のあたりから七条西大路まで、汗だくになった。彼はサウナ信仰がある一方でわたしは全く関心がなく、せめて汗をかいて入浴へのモチベーションを上げようという苦肉の策だった。それが意外にも、この徒歩の何でもない時間が愛おしく、最早何を話したのかも思い出せないものの、楽しかったことははっきりと覚えている、そういった味わいのものだった。

110℃のサウナは初心者向けではないらしく、はっきり言って苦行に近かったものの、水風呂と屋外でのクールダウンの際の、微睡のような感覚にありながら目だけが爛々とする状態は新鮮だった。1人で行くことは無いだろうが、誘われたら行ってみてもいいかもしれない。

夕食を彼が好きだったホルモン屋で摂る。万願寺唐辛子を焼いたものと、先着3名限定にも拘らず売れ残っていたユッケがとても美味しかった。大学卒業時に彼は就職し、わたしはフリーターとなったのだが、その際に「お前とは白木屋コピペみたいにはなりたくないからな」と言ってくれていたので、会計の際に彼にコピペに出るようなしわくちゃの1万円札を預けたらそこそこウケた。よかったです。

大食漢の彼が面白がるだろうと思い、京都駅のラーメン小路でラーメンを食べ、地元へ帰る彼を見送った。こんな日がまたあるといい。

おわり