明るい生活の暗い日記

スピードが足りない

230817

ここ何日か、ORANGE RANGEのことばかり考えてしまっている。夏の暑さがそのようにさせるのか、終戦にまつわる諸々が沖縄に思いを馳せさせるからか、はたまたその両方か。

彼らがメジャーデビューを果たした2003年は、安室奈美恵による90年代の沖縄ブームとは別の(しかしその影響は確実に存在するだろう)、沖縄サミットを端とした、沖縄的共同体のスローライフへの注目(尤もそれが貧困と隣り合わせのものであるということには目を背けられていたが)や、『ちゅらさん』のヒットに、MONGOL800HYといった沖縄出身ミュージシャンの活躍といったものが相補的に大きな波を生んだ、00年代の沖縄ブームの真っ只中にあった。それは、沖縄が植民地支配から解放されたばかりの貧しい島であることを市井に忘れさせるには充分な力を持っていて、ORANGE RANGEの活躍はその潮流を間違いなく後押ししていた。

しかし、そんなことを10代でメジャーデビューさせられた彼らに問うのも酷な話で、大切なのは彼ら自身の判断に基づいた行動を取れるようになった際に何をしたのかだろう。上記のツイートの通り、ORANGE RANGEは2010年にSONYを離れて沖縄の自主レーベルに移籍、沖縄の基地問題を踏まえたメッセージ性の強いリリックの『風灯らす』を移籍後最初にリリースしたアルバムに収録する。Cメロの歌詞は手垢塗れで新鮮味こそ皆無ではあるものの、それ故に普遍性を有した重要なメッセージであるように思える。電気グルーヴのアイドル売りのようなバンドが、単に沖縄ルーツの楽器やメロディラインをなぞるのではなく、その地に生きる当事者としてこういった楽曲を発表することの意義深さを感じている次第だわね。うちのようなアンポンタンに沖縄について考えるきっかけを与えてくれたわけだから。

Apple MusicでORANGE RANGEの楽曲のプレイリストを組んだ 売れ線っぽいのをなるべく回避して この中だと『沖葉原イナー O-721』が特に好き

夜に高校の同級生と電話で喋る お前いつになったらうちを遊びに誘うねんといちゃもんをつけたところ、来月の下旬に会っていただけることになりました!やったね

おわり