明るい生活の暗い日記

スピードが足りない

220322

苛立ちがある。視野が狭くなり、世界が縮こまっていくのを感じる。アクティブな活動が何もできない。物を集めるのが好きだったけれど、全てが煩わしく思えててきた。服や本を全て捨ててしまいたいような、そういう気分だ。

本を全てPDFスキャンにかけて処分しようかと悩んでいる。途方もない額がかかりそうだ。物を所有する喜びを今後感じることがあるだろうか。とにかく身軽になりたい。ムダ毛を剃り落とし、髪を切り、胃を空にし、自身の体積や表面積を減らしたい。iPhoneに自分の全てを詰め込んで、死ぬ前に叩き割りたい。既存の他者との関係を断ち切り、自分ではない何者かとして、正気で生きたい。

駅で顔の整った制服姿の女を見かけた。高校生だろうか、ともすると中学生かもしれない。鏡に映る自分は、まだ若者のように見えるけれど、流石に10代には見えなくなってきた。自身より若く、容姿の整った女に嫉妬するようになったのはいつからだろうか。わたしが彼女のように可憐で美しくあったなら、やってみたいことが沢山あった。自分が若く美しいことに無自覚なのだろうか、のほほんとした表情で空を眺めていた。横顔が綺麗で、憎らしい。しかしまあ、容姿の整った人間も四六時中「アタシってイケてるな〜褒めろ!」と思っているわけでもないだろうしな、そうだとしたらNPDっぽくて嫌だし…と思って溜飲を下げようとした。下げようとしたが、わたしは身の丈に合った自信を持っている人間の方が好きなので、容姿の整った人間には四六時中「アタシってイケてるな〜褒めろ!」と思っていててほしいかもしれない。

今日は昔の友達の誕生日だ。高校生の頃、表層的な友達付き合いのようなものに辟易していた中で、寂しいときに頼ることができた人だった。高校3年生の1月末、昼休みに行く宛がなく、彼女のいる教室へ向かい、「友達おらへんの?」と笑いながらも、話し相手になってくれたあの瞬間のことを今でも鮮明に思い出すことができる。高校卒業後も断続的に交流は続き、彼女がB4になるまでは顔を合わせる機会もあったのだが、いつしか連絡が途絶えるようになった。2年程前に、LINEの登録名の苗字が変わってたのを確認した。恐らく結婚したのだろう。家庭環境が良くないことを示唆する言動が多い人だった。幸せになっているといい。高校の帰り道、妹の体型がムチムチだからという理由から、ムチ子と称して彼女のエピソードトークを度々披露してくれていたが、ムチ子は元気にしているだろうか。いつか誕生日プレゼントに貰った黒い猫の形をしたマグカップは使えないまま、今も本棚の上に飾ってある。

先述の高校3年生の1月末の昼休みに、デジカメで撮った写真が今もiPhoneに残っている。設定に失敗しており、昼間の教室なのにやけに高感度で撮影してしまっている上に、彼女は俯いていて何もわかったものではないのだけれど、その不鮮明な感じが、わたしと彼女の関係らしくて気に入っている。顔も見えないので日記にあげようかとも思ったが、これはわたしの宝物なのでひとまずやめておくことにした。

来週火曜のバイトが2時間勤務で1万円貰えることになった。予算が余っているので、形式的に1時間残業するふりをしてくれとのことだった。茶菓子でも持って行こうか。

最近写真を撮るのがまた楽しくなってきたので、SIGMA fp Lを買うぞ!の機運が高まってきた。45mm F2.8 DG DNを使えば、90mm相当の画角までは実用的なクロップズームを用いることができる。30万、分割するかなあ。ひとまず、もう少し寝かせよう。今の君は、雑に使えるはずのTG-6での撮影さえままならないじゃないか。

f:id:Halprogram:20220322215751j:image

2018年9月22日 台風で倒れた木と塞がれた道

おわり