明るい生活の暗い日記

スピードが足りない

220523

地元のジャンカラで夜を明かす。雑居ビルを出て、外の空気を吸う。アスファルトに残った湿り気が昨晩の通り雨を思い出させるが、空は晴れ渡っており、それだけのことで気分が良い。大学生の頃に烏丸今出川ジャンカラで朝まで遊んだ後の、少し肌寒い空気と澄んだ空を思いを馳せる。一緒に遊ぶ友達がいた頃は楽しかったな、そんなことを思いながら公園へ向かう。父親が通勤で確実に家を空ける7時頃まで、ベンチで寝そべり空を眺めた。

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出勤前に母方の祖母に電話をかけた。今晩、泊まらせてもらえないだろうかと尋ねたところ、理由も聞かずに了承してくれた。数年前は遠方のバイト先へ通う為にアクセスの良い祖母の家に泊まることがしばしばあったが、近頃はめっきりご無沙汰してしまっていたので…というのは都合の良い建前で、まともな寝床にタダ泊まりしたかったというのが正直なところだ。おばあちゃんは今年で85になるんだっけか、婆不孝な孫で本当に申し訳ない。

バイトの帰りに事業所2の同期と一緒になった。わたしの職種では非常勤を掛け持ちして経験を積むのが定石とされている中で、彼は資格取得年から正社員で働いている。やっぱ正社員ってなった方がいいんですかね?と尋ねると、「安定した収入とお休みが欲しければ…僕はそれに目が眩みましたし」と返された。それ、欲しいかも!でも、何が良いとうまくは言えないけれど、非常勤の気楽さは何故か捨て難いんですよね…と漏らすと、「そうですよね」と応じてくれた。詳しくは知らないが、断片的に聞いた話から察するに、彼の家庭は複雑らしく、一家を支える柱の一つとしての期待を背負わされているようだった。安定した収入に目が眩んだ、とは言っているが、そうせざるを得ない環境にあるのだろうと想像すると、実家で父親といがみ合い家出ごっこをしている自分が情けなくなる。辛気臭い話はそこそこに、楽しい話をしましょう!となり、夏のボーナスでGR2を買いたいという野望を聞かせてもらった。デジイチじゃなくてGR、ポケットからサッとGR、いいですねえ!と煽てに煽てた。

一旦帰宅し、薬を回収しておばあちゃんの家に向かう。途中、焼鳥チェーンから大黒摩季の『あなただけ見つめてる』が漏れ聞こえた。そういえば、高校生の頃に祖父と従兄でこの店に行ったことがあった。あれももう10年前になるのか。

22時頃に家に着く。近所のスーパーで、それらしい花と祖父が好きだったビスコを買い、仏壇に供えた。おばあちゃんはわたしの好きなC1000を用意して待っていてくれた。布団が柔らかく、暖かい。ほんまに、27にもなって何をしてるんやろか。今日のことは、ちょっと忘れられそうにないかもしれない。

おわり