220604 - 明るい生活の暗い日記

特別の目的意識も持たずに漫然と生きていると、納得のいかない理由で褒められることがそれなりにある。

バ先2の新しい上司から、「生活さんは孤立を生まないような働きかけをしている」と、熱の入ったありがた〜いお言葉を頂戴した。確かに、それを意識した振る舞いをしていないと言うと嘘になるが、集団における力動として、手隙の者が人員が手薄な範囲をカバーするのは至極当然のことであり、取り立てて褒められるようなことでもないように思う。今日で言えばわたしがやらねば誰がやるというようなことではあったが、別の機会には他の人がそういった役割を担ってくれるに決まっているのだ。こんなことで褒められてもな、と思いつつも、「ええ仕事してまっしゃろ？」と愛想笑いを浮かべた。

思い返せば、3年目にも昨日同じようなことを言われた。当時別事業所勤務だった彼女が異動に伴う引き継ぎでバ先1に来た3月のいつか、殆ど面識の無い人間に囲まれさぞ居心地が悪かろうと思い、彼女が時間を持て余しているように見えた際はとりあえず声をかけるようにしていたのだが、彼女はそれに対して「こんな気遣いの仕方があるんだ〜って、優しいなと思いました」という所感を持ったとのことであった。これだって、別に褒められるようなことではない。不慣れな場で、今後共に働くことになる他者に囲まれながら、引き継ぎ以外では存在しないかのように無視されることの不安が想像に難くないが為に、業務の合間に雑談の相手になってもらっただけだ。わたしがやらずとも、他の誰かがきっとやったのだ。

しかし、自身がある程度の立ち位置を獲得したコミュニティにおいて、気にかけている人物が孤立する様を指を咥えて見ることを是としない性であることは事実だ。思い返せば、大学のサークル活動においてもそういった振る舞いをしていたような覚えがある。だが、くどいようだがこれは特別なことではない。毎年4月に新入生を囲い、逃すまいとして便宜を図ることは、どのサークル員もやっていた。あれと同じことだ。

ここまで書き進めたところで、留年が決まってから時々遊んでもらうようになったサークルの先輩から、「生活ははぐれ者に優しいよね」と言われたことを思い出す。これに関しては、褒めかどうかは定かではないが、かなり自覚的にそのようにしていたので、否定することができない。当時は今よりも儚いものに魅力を感じ易かったことと、今尚健在の天邪鬼な根性が入り組んだことで、自分だけが魅力に気づいたこの人に良く思われたい！という意識が働き、そういった人達の視点では優しく見えるような言動を行っていたのだ。決して美点ではない。

新しい上司や3年目が褒めた点は、わたしのいやらしい根性の名残のような、手癖とでも言うべきものなのだと思う。手癖で褒められたらそらピンときーひんわな。冒頭で、納得のいかない理由で褒められることがそれなりにあるとしたが、思い返せば偶に褒められるような点は、そういった納得のいかないものが殆どだ。頑張ったことを褒められたかったのに、己の忌々しい部分ばかりが賦活される。

書きたかったこと、こんなんじゃなかったんだけどな。努力をしても褒められることは少ないのに、容姿は特に努力しなくても褒めてもらえるから、主観的にはともかく客観的にそれなりにいい容姿なのだろうという認知があり、転じて容姿以外の褒めにピンとこなくなってしまったにも拘らず、主観的にスタイルがかなり悪化してしまったが為に容姿を整える努力をせざるを得なくなり、努力と褒めの関係に変化が生じてきたという話がしたかった。

大森靖子の『うんめー』のセルフカバーが好きだゆるめるモ！らしい詞が、彼女が歌うと途端に大森靖子の言葉になるような気がする