母校で出身の自主制作映画サークルの上映会があり、烏丸今出川へ向かう。
Twitterでたまたま上映会の告知ツイートを目にし、うまいこと休日と被っていたので行くことにした サークルの上映会に行くのは卒業年以来だから6年振りとかになるか そんなに経つか
わたしの入学が2013年で、卒業が2017年。入学から10年が経ち、卒業後にはコロナ禍があり、個人的な話としては長い学生生活から賃労働者へと肩書きが変わった。Twitterを読む限り、サークルはここ数年積極的に活動をしているように見受けられなかったが、それでも変わらず映画を撮って上映するという営為を重ねてくれていることが心から嬉しく、その様子を一目見たいと思ってしまった。大学のサークルという流動性の高いコミュニティにいつまでも顔を出すOBOG程鬱陶しいものは無いので、卒業後はなるだけサークル活動と関わることはしないでおこうと思っていたが、顔見知りがいなくなった今なら変に気を遣われることもなかろう。祈るように出町柳から今出川通を西へ入った。
烏丸通 CoCo壱の隣って元々何だったっけな
寒梅館に入ったところ 表に上映会の看板は無かった
学生時分に上映会の度にたむろしていた椅子
立て看板 全面を覆う形ではなくポスターを貼り付けるスタイル
寒梅館地下の受付へ向かう。休憩時間だった為か、周辺はサークル員風の人達で溢れかえっていた。在学時のサブカルホモソ臭は脱臭され、明るく健康的な集団のように見受けられ、健全な雰囲気になったな〜と嬉しく思う。
受付で対応してくれた人と少し喋る。自分が卒業生であり、こうして活動を続けてくれていることを嬉しく思い上映会に来たこと、活動を続けてくれてありがとうございますと伝えた。受付の人がえらく喜んでくれて、逆にありがとうございますと言われてしまった。話し相手にしてしまった受付の人は3回生らしく、何期上かを問われたので2013年入学2017年卒業であると伝える。すると昔の映画がBOXにあるので……みたいな話をされ、自身が在学時に整理した作品データ集HDDが今も生きていることを知った。
大学で自主映画のサークルに所属していた頃、VHS時代の作品が埋もれていくのが惜しくて、データ化して共有のHDDに保存していた。飛んでいなければ20年程前までの作品が今もBOXで観れるはず。観たい人がいるかはともかく、周期的に入れ替わる人間の営為の蓄積が大学っぽいので、やってよかったと思う。
— 明るい生活 (@soyjoyoic) April 7, 2021
わざわざ見るもんじゃないですよ〜と言いつつも、あれを整理及び設置したのわたしなんですよ〜とつい自己主張してしまった。これ以上喋るのはやめておくかと思っていたのだが、相手から「○○さんと同期ですか?」と尋ねられてギョッとしてしまった。○○はわたしのことを尋常でなく嫌っている(決定打となった件に関しては双方に非があるが、以降度々人格否定とも取れる無理筋な批判を受けてきたので、こちらからも苦手意識がある)かつての友人で、留年を重ね卒業後も京都に残っているとは聞いていたが、未だに学生コミュニティに顔を出すことがあるらしい。「確かに彼はわたしの同期ですが、学生の皆さんはご自身で思い思いの活動をしてくださいね」という旨のことを伝えた。慕ってつるむ分には好きにしていただけば良いのだが。
なつけ〜
映画が上映される。わたしが在籍していた頃は撮影機材がVXから一眼レフへ移行する過渡期だったのだが、23年現在は新入生による作品を除いてほぼ全てがレフないしはミラーレス機で撮られたと思われる綺麗な映像群がそこにあった。作品単体への言及はここでは避けるが、現実志向とでもいうのだろうか、作中のリアリティがしっかりとしたものが多かったように思う。カラーグレーディングに力が入った作品も多かった、というか撮って出しの映像は皆無だったんじゃなかろうか。個々の研鑽は勿論そうだが、デジタルネイティブ世代って地肩が強いのかもしれないなと思わされた。いやあ、楽しい時間だった。
松乃屋 混んでそうだったので入らず帰った
上映が終わり、さっさと帰路に就く。先の受付の人に挨拶くらいしたらよかったかもとは思ったが、変に気を遣わせてしまうのは嫌だったので、これでよかったのだと思う。デジタルアンケートのURLを持っているので、伝えたいことがあればそこに書けば良い。20時終了と遅い時間に終わった上映会だったが、打ち上げ等はあったのだろうか。木屋町あたりで安酒を煽りながら、映画や恋愛や社会や将来等の話をして朝を迎えてくれていたら嬉しいな。
学生の頃に通ったラーメン屋は5年程前に閉店してしまい(ラーメンさのやは本当においしい京都らしさ溢れる背脂醤油ラーメンを食べさせてくれていた)、変わりゆく大学周辺の街並を眺める。時の流れは移ろえど、同じ場所で20歳前後の若者が同じ営為を重ねているという、ありふれてそれでいて奇跡のような出来事を目の当たりにできたことが本当に嬉しかった。そういうことを大学で出会った友達に電話しながら今出川通を東に進んだ。
おわり