明るい生活の暗い日記

スピードが足りない

220306

精神科に通い始めて半年程になる。バイトは昼からの出勤で帰宅が21時半頃、就寝は2時頃になるが、10時頃に起床すれば勤務時間には余裕で間に合うのでそのようにしている、と医師に伝えたところ、「0時までに眠り、8時頃に起きろ!」と言われ、トリアゾラムをモリモリ与えられた。果たして、眠れぬ夜を過ごすことは皆無になったものの、経口摂取した神経伝達物質の塊に思考力を奪われていく屈辱的な感覚は未だに慣れず、どうにかならないものかと思っている。昨日は件のトリアゾラムを半錠に割って服薬した。半錠でも一撃で眠気に襲われ、コイツなんぼ程強いねん…と思いながら、減薬へ一歩踏み出した。

Twitterと日誌の棲み分けの感覚がなんとなくできてきた。Twitterに書きにくいな…と思ったことを日誌に綴れば良いのだ。そして、日誌にも書けないようなことをLINEのメモ帳やTwitterのFF0の鍵アカウントに書く。紙の日記帳は使わない。母方の祖父が、定年後の趣味としてWordで日誌を書いており、そのレイアウトや編集を手伝った時間の愛おしい記憶が、デジタル媒体に綴ることへの偏執に繋がっているように思う。祖父は日記を頑なに日誌と呼ぶ人だったので、わたしも倣ってそのようにしている。でも、日誌ってカタいよな、日記で良くない?という思いが、こうしてiPhoneの画面に指を走らせている間にも、心の奥底とまでもいかない、地層で言えば礫岩のあたりから生じている。その時々で好きに呼べばいいか。

大学卒業を間近に控えたB4の春に書いたブログがあった。フリーターになる焦燥感から、何者かにならねば…と立ち上げたものだった。ブログを書いたからと言って、社会が要請する何者かになれというメッセージへの応答とならないことは明らかなのだけれど、当時も未分化なりに実存としての何者かになろうという感覚があったのだろう。好きではない方の祖父の法事について書いた。友人に絵を描いてもらい、モリモリ文章を書くぞ!という気概が当時はあった。実際には書けなかった。気取った文章を書こうと構えることが不得手なのだと思わされた。誰にも見せていなかったのだけれど、絵を描いてくれた友人に失礼な気がして、去年になってようやく公開した。

煙草 - 春のプログラム

先の投稿を読んで、「生活ちゃんの文章のテンポが好み よければまた書いて」とDMをくれた相互がいた。彼女のアカウントは不穏なツイートを最後に動かなくなって2ヶ月ほど経つが、ふとそのことを思い出してTwitterのアカウントを覗いたら、FAV欄が更新されていて安堵した。この日記はお気に召すだろうか。

文章を書くことが苦手だ。好き嫌いと別で、得意ではないなあと思う。修論執筆時、筆は遅くないが、それらしい言葉で飾り立てた空虚なテキストしか書けない自分に嫌気が差し、論文の半分を調査のインタビュー内容で埋めた。当然のように諮問会でボロカスに言われ、「宝の山から一際輝くものを選び抜く力があるといいですね。」と指導を受けたことが忘れられない。

今朝鏡を見たら、不摂生が祟ったのか頬にニキビができていた。顔にニキビだなんて、何年振りだろう。うちの身体もまだ若いな、と妙なところで自信を持つ。芯を取り出し軟膏を塗った、早く治るといい。ニキビとはまた違うが、口内炎ができやすい体質らしい。一時期、口内炎が酷く、痛みを紛らす為に頬に指をあてがうのが癖になっていた。ぶりっ子のようで嫌だったのだけれど、中々直すことができないでいたのが、いつの間にか癖が抜けていることに気づいた。こうして知らず知らずの内に、数年前の自分と地続きの、少し異なる存在になっていくのだろう。

夕方に何年か振りに地元の古本市場に行った。近頃は本をPDFにスキャンしたものをiPhoneで読むのがブームで、スキャン用なら古本でいいかもしれないと思い立ったからだ。哲学や社会学の入門書や臨床心理学の専門書、中島らもの文庫本やBLEACH The Hell Verseが手に入れば上出来だろうと目論んでいた。久しぶりに訪れた古本市場は記憶していたものと比べて2,3倍臭く、学術書コーナーには胡散臭い似非学術書がズラッと並んでおり、入店から10分程で頭痛が我慢できなくなり退店した。フリーターになってから、我慢が効かなくなったなあと思わされることが増えた。何者にも縛ってもらえない、そういった感覚がある。

そういえば、高校生の頃に参加しようとした2ちゃんねるのVIP+の突発オフ会の集合場所がこの店だったな、近くの来来亭に行く約束だったけれど、結局相手が来なくて何も食べずに家に帰ったな、当時は悲しく思うだけだったけれど、今なら間違いなく激怒しているだろうな、という記憶と感情が不意に湧きあがった。

帰り道、江國香織の『やわらかなレタス』と土居健郎の『「甘え」の構造』は買えば良かったなあ、と後悔した。後者は修士課程の先輩がゼミの発表で題材にしていたものだったのを覚えている。大学院ではあまり人と仲良くならなかったけれど、その中で彼女はどちらかと言えば交流を多く持った部類の人だった。生きてたらまたどこかで会いますよね〜等と言って去年の春にお別れしたが、果たしてそんな機会は訪れるだろうか。

夕飯に王将でテイクアウトした極王炒飯と生姜餃子2人前と海老天を食べた。明日の昼食に残りの炒飯大盛ともうひとつの海老天を食べる。デブまっしぐら、困ったなあ。18時半から20時頃までうたた寝をしてしまったので目が冴えている。これも困った。昨日半分に割ったトリアゾラムの残りを飲もう。早く健康になりたい。

おわり